• 2009/01/13 コラム

    財務安定性~自己資本比率~ +在庫管理に関する耳寄りなお話(2006年1月掲載分)

    〔財務安定性 自己資本比率〕
    資金繰りなどの安全性分析の中でも一番大切な指標が自己資本比率です。
    総資本に占める自己資本の割合を表すものです。

    (算式とポイント)
    自己資本比率=自己資本÷総資本×100(%)
    この自己資本比率が高いということは、基本的に返済を必要とする他人資本(負債)が小さいということですから、それだけ安全性が高いと考えてよいでしょう。
    自己資本比率が低い場合次のような原因が考えられます。
    (1)当期に多額の赤字を計上した。
    (2)借入金で多額の固定資産を購入した。
    (3)不良在庫が多量に発生して、それにともなう負債が増加した。

    また逆に、自己資本比率が低いからといって、軽率に悪いと決めつけるのも問題があります。
    例えば、売れ筋の商品を今後の動向に適正に把握した上で借入金による資金調達で購入した場合などです。この場合、利益が多額にでて、借入金の返済を上回るので問題ないでしょう。
    また、不良在庫の判断にも、経験と感性が必要です。会社名は言えませんが、貴金属の業種で不良在庫を処分して、財務の安定性と成長性を高めようとしたことがあります。
    不良在庫と考えられるものを処分した結果、売上は下がってしまったのです。
    なぜ、売上が下がってしまったのでしょうか?
    このことを分析すると、店頭に並んでいる売れ筋でない商品を不良在庫と判断して処分したのですが、実は、売れ筋でない商品が集客の役目を担ってくれていたことに気づいたのです。
    よく、百貨店の貴金属売り場で、年末やお正月に販売される時価2億円の福袋(中身は数カラットのダイヤ)があります。
    これは、売れ筋でない商品が集客の役目を果たす最たる例だといえるでしょう。
    この福袋を買う人はまずいないにしても、見に行こうという人は沢山いるはずです。
    この狙いを示すかのように、福袋であるにもかかわらず、とてもきれいにディスプレイして、目立つようにしてあります。
    やはり、売上を上げるには数字に強いだけでなく、「感性」や「センス」がものをいうのでしょうか。
    経営は男性の社長や幹部が行い、現場の責任者は全て女性というような企業が、大成功したなんていう記事をみることがありますが、まさに、役割分担しながら、それぞれの強みを生かすことが、経営には大切であるとうことを証明しているといえます。
    あなたなら、時価総額2億円の福袋を不良在庫と見ますか?それとも、有力な販売促進商品と見ますか?
    経営は、「選択の連続である」
    といわれるのは、まさにこのことなのでしょう。
    加えて「選択と集中」といわれるのは、特に中小企業においては、資源(人・もの・金)が限られているため付いて回る言葉なのでしょう。

    (自己資本比率の判断基準)
    一般的に自己資本比率の安全性の基準は30%以上とされています。
    大企業になれば、証券市場から資本を回収することができる為、自己資本比率平均は28%程度ですが、銀行借入が日常茶飯事になっている中小企業においては、20%前後が普通です。